インドネシアの歴史と社会(菅原 由美)

学生は現在起こっている現象に注目しがちですが、その背後にはさまざまな原因要因があります。現代の現象の背景を広い視野で考えるため、歴史と社会を理解することがこの授業の目標です。外国語学部の学生が多く履修しますが、言語学は別として、言語を学ぶこと自体を目的にするのではなく、知識を持ち、それを活用するための言語学習を行ってほしい。そんな理念のもとに開講される「インドネシアの歴史と社会」について、菅原先生にお話を伺いました。

基礎情報

授業形式
動画視聴, リーディング課題, ディスカッション
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テーマの例
シラバス

教員の準備・工夫

授業の内容

インドネシア社会を理解するための基礎的な知識として、インドネシアが成立する以前の東南アジア島嶼部の歴史からポスト・スハルト期までのインドネシアの歴史について、ディスカッションと講義を通して学びます。インドネシアの歴史の流れを押さえた上で、インドネシア社会にとっての「民族」と宗教について考えることができるようにし、最終的には各自がテーマをみつけ、先行研究をまとめてもらいます。

教員の工夫

学生は、課題として学術論文が毎週渡されます。その論文についての読書ノートを作成し、論文の内容と疑問点をまとめてきてもらいます。授業で、まずその論文内容に基づいて用意された質問(論点)に対し、少人数(4〜5人)でディスカッションをおこない、回答を出し、発表します。それから、教員がさらに説明を加え、クラス全体で内容を深めていきます。説明には、ビデオや現物(香辛料や影絵人形など)が用いられます。

この授業の目標のもう一つとしては、学生の参考文献を探す能力や、その文献を整理して分析する能力を育てることが挙げられます。授業外で、図書館と協力して、文献収集を学習する時間を設け、最終課題に向かってもらいます。インドネシア語専攻の学生は2年の最後までに卒論のテーマを選択しなければならないので、そのための先行文献の読み方、記録のとりかた、文献収集の練習となっています。