カフェ的対話法(森栗 茂一)
対話とは伝え、聞くこと、それを通じて自分を知り、変えること。演繹的な客観的な思考法とは異なり、内省を行う主観的な思考法です。どちらかが不要だということではなく、必要に応じて使い分けることが重要です。この授業では、カフェ体験やカフェ運営をする中で、他人の価値を感じるとともに、対話法を身につけることを目標とします。「カフェ的対話法」の授業に潜入して、取材をしてきました。
基礎情報
- 出席人数
- 11
- 授業形式
-
グループワーク,
演習問題へのとりくみ,
プレゼンテーション,
ディベート
クリックすると、同種の授業形式の授業一覧が表示されます - テーマの例
- 前回までの内容を振り返りながら、カフェ運営に向けての作戦会議
- シラバス


教員の準備・工夫
配布資料
本日の授業の流れ、4ページ分の資料(今日の予定、課題、前回までの復習など)
教員の工夫
専攻が偏らないよう、受講生はほとんどが異なる学部の学生です。学生が何を求めて授業を受講しているのか、把握するようにしているとのことです。
あまり長時間話しても平行線になるため、時間配分には気を遣っているそうです。最初に、今回の授業で何をするのか、15回の授業の中でどういう位置にいるのかが説明されます。良いと思ったことや感謝の意を拍手という形で伝えること、院生の先輩のプレゼンテーションなど見本を見せることも行わています。
この授業に潜入して、自分が身につけた思考法とは異なる対話型の思考法を体験できました。まったく別の思考法を身につけるという意味では、専攻にとらわれず、早い段階からあえて全然関係のない分野の授業を履修してもらうというのも意外とためになるのではないかと感じました。学生たちを成長させるために、教員はグループワークから見学までいろいろ工夫をしていました。阪大の教養教育のあり方についてもご意見を伺い、とても勉強になりました。
学生の行動
事前課題(予習課題)
今回のグループワークに向けての準備。
事後課題(復習課題)
授業中の議論について各自振り返る。授業では対話によって話を深めたが、今度は一人でじっくり考えること。
学生の様子
学生たちはお茶を飲みながら積極的にグループワークに取り組んでいました。最初はワイワイとした感じであまり真剣に話をしようという姿勢は見受けられませんでしたが、だんだんと話の中心が授業の問いに近づいていきました。気難しく議論するという雰囲気はなく、学生はみなリラックスしている様子でした。授業の後半でのグループメンバーのチェンジをきっかけとして、授業がより楽しくなりました。
学生たちが課題に向けて、真剣に取り組む姿が見られました。1年生ながらもすばやく考えを出せることが印象的でした。例えば、地域でのカフェ運営について大学生が語り合う意味は?という抽象的な問いに対して、まとめきれてはいなくても、きちんと発表できていました。これは前回までの講義や実習で身についたのではないかと感じるとともに、森栗先生のファシリテーターとしてのうまさもあるのではないかとも感じました。