社会科学における数学的方法(養老 真一)
新入生の中には、「何のために数学を学ぶの?受験以外に役に立つの?」と考えたことのある人もいるでしょう。実は、数学を使うことで、社会のあり方についてさまざまな分析が可能になります。この授業では、数学的手法により面白い結論に到達しうるという知的興奮を得てもらうとともに、論理的な文章の読み方を学びます。「社会科学における数学的方法」の授業に潜入してきました。
基礎情報
教員の準備・工夫
授業の内容と進行
まず、発表当番による発表が行われ、つづいて質疑応答が行われます。発表担当者は2人いて、授業の前半と後半にそれぞれ発表していました。質疑応答は、レジュメに沿って、学生からの質問に教員が答えたり、ほかの学生の意見をきくなどして進められました。
配布資料
テキスト、学生発表のレジュメ、適宜補足説明のレジュメ
教員の工夫
「発言に慣れる」というねらいのもと、学生の質疑応答がメインとなっています。どのような質問や発言でも可能で、「文献のここがわからない・おかしいと思う」など、毎回ほとんど全員が発言します。座席は指定されており、発言内容も成績評価の対象となります。また、アカデミックライティングの練習を通して論文の形式に慣れてもらうことも行っています。
学生の行動
事前課題(予習課題)
文献を読み質問等をCLEの掲示板に書き込む。発表担当者はレジュメを作成する。
学生の様子
授業を通して、緊張感がただよっていました。担当者の発表は、教壇に立って説明し、黒板を使って図示することもありました。聴衆の学生は、時折メモを取りながら黙々と聞いていました。質疑応答の時間になると、質問をしたり、積極的に手を挙げて、自分の解釈等を論理的に述べていました。発言者が偏ることはあまりなく、色々な人が発言していました。
学生たちは積極的に手を挙げ、活発に発言していました。発言内容からしても、授業や授業外での自学に対するモチベーションの高さが窺えました。比較的講義に近い形式ではありましたが、学生の質問をテーマ提起として教員が喋っていくスタイルでした。ある程度人数の多い講義形式でも双方向的な授業を構築する余地は十分にあると感じました。