第6号 教えて先生!クイズ

もんだい

中国・甘粛省・敦煌市の近郊にある莫高窟は、4世紀頃から1000年以上に渡って造営された石窟寺院です。莫高窟は、中国の全国重点文物保護単位であり、1987年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。

莫高窟には400以上の石窟がありますが、特に有名なものとしては、1900年にいわゆる「敦煌文書」が発見された第17窟があります。敦煌文書には約60000件の古文書が含まれています。それらは、どれも貴重な文化財ですが、とりわけ珍しいものがいくつかあります。そのひとつが、突厥文字(トルコ系遊牧民の間で 使用された古代文字の一種)で書かれた古代トルコ語の占い書 " Ïrq bitig"(10世紀頃の写本、大英図書館蔵、所蔵番号 Or. 8212/161、下図)です。

" irq bitig" 大英図書館蔵 Or. 8212/161

Ïrq bitig の一部 (出典:Serindia, PL. CLX)

この占い書には、角材状の四面サイコロを三回振って出た目の吉凶が書かれています。以下の目のうち、大吉にあたるのはどれでしょう?

① 1−1−2  ② 4−4−3  ③ 2−2−1  ④ 3−3−4

(全学共通教育部門 准教授 坂尻彰宏)

こたえ

【正解】②

以下に、写本に書かれた各目についての説明文を示します。

① 1−1−2「女が鏡を湖に落とす。悲惨かつ大凶である。」
② 4−4−3「黄色い馬と焦げ茶色の馬に乗った使者たちが吉報をもたらす。大吉である。」
③ 2−2−1「女の子の恋人は死に、彼女のバケツは凍る。最初は悪いが、後で吉である。」
④ 3−3−4「水鳥を狩る鷹が鷲に出会う。凶である。」