自然の読み方(古屋 秀隆)

自然にじかに触れる体験をして、自然の全体の在り方を知ってもらいたい。フィールドワークのいろはを学びながら、自然・生物の見方を体験する授業「自然の読み方」について、古屋先生にお話を伺いました。

基礎情報

授業形式
講義, 実験, フィールドワーク
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テーマの例
比良山の自然
シラバス

教員の準備・工夫

教員の工夫

自然に直に触れ、五感で自然を感じることができます。生物のスケッチを通して、詳細に自然を感じさせるとともに、内省を促します。フィールドワークでは、そこにある自然の成り立ちや人の関わりなど、いろいろな自然の見方が示され、目の前にある自然の事物が実際にどう関連しあっているかがわかります。また、生物の名の由来や自然を詠んだ和歌なども紹介し、人と自然との関わりも考えてもらいます。

フィールドワークには危険が伴うことがあります。山の歩き方や危険からの回避を学んでもらいます。例えば、危険な生物は案外身近にいるものです。それは生物に対する知識をもつことで、危険から回避することができ、また無益な殺生も避け共存が可能です。自然の中では、どのような生物も生物相互で深い関係をもち、自然の中でうまくバランスをとって生きているので、人に害があるからといって、駆除するのではなく、人が知識をもち、危険にあえて近づかなければよいということを考えさせます。フィールドワークには、文化系のTAやいろいろな専門分野の教員も同行し、学生たちをたくさんの目で見守っています。

テーマ設定のアイディア

フィールドワークのテーマとして「待兼山」を設定するアイディアもあります。古来人とのかかわりが深い身近な山をテーマにすることで、歴史、地形、生物等など多角的かつ一貫した授業を展開できます。

 自然の見方についての講義、生物の観察を行う実習、3回のフィールドワークという形で構成されています。この授業のフィールドワークには軽登山が行える体力が必要ですが、徐々に山に慣れられるよう、初回のフィールドワークでは初心者向けのコースが選ばれています。学生たちは、登山を通して自然と向き合うだけでなく、自分の体力や体が必要とする水分の量など、自分自身とも向き合っているようでした。